日日雑学時時雑想の人気ブログ記事

  • ヤマト王権の始まりの国 3-3-2

    六 豪族連合政権説の問題点 ⑴ 邪馬台国畿内成立説との関係  豪族連合政権は邪馬台国畿内成立説とどういう関係になるのかという問題である。豪族連合政権のヤマト王権と畿内にできた邪馬台国のヤマト王権を結びつけようとする試みがあるが、支配・統治の体制を考えると、それは無理であろう。邪馬台国畿内成立説と豪... 続きをみる

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  • ヤマト王権の始まりの国 9-5

    四 系譜が意味するもの  天皇の系譜を偽って記録することは、天皇家に対する不敬であり大罪である。天皇の系譜に架空の天皇を書き込むことは許されることではなかったと思う。ただし、天皇王権の正統性を示すために系譜を正しく記録するという説明で美化したものは認められただろう。古事記と日本書紀とで記述が違う部... 続きをみる

  • ヤマト王権の始まりの国 1-3

    狗奴国=邪馬台国子国=ヤマト仮説  そういう疑問から導き出したのが、次の仮説である。 ① 狗奴国は、九州に成立した邪馬台国が三世紀前後頃に東方平定のために畿内に領地を得て造った子国である。 ② 狗奴国王卑弥弓呼は、ヒミコ(卑弥呼)の子分に相当する地位名である。 ③ 卑弥呼と卑弥弓呼が攻撃し合ったの... 続きをみる

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  • ヤマト王権の始まりの国 2-3

    五 狗奴国と卑弥弓呼  狗奴国の王の名は卑弥弓呼である。後漢書にはない。  字は「卑弥呼」に「弓」の字が入っただけである。一字挿入だけの違いは偶然のこととは思えない。卑弥呼を連想するような言い方も字の選び方も、卑弥呼と似た地位にあると想像される。中国側が卑弥呼に対して卑弥弓呼という字を当てたのは関... 続きをみる

  • ヤマト王権の始まりの国 3-2-3

    ⑶ 漢鏡の地域分布と邪馬台国の位置  北部九州がクニ造りの中心だったことはこれまで調査された漢鏡の分布からも推測できる。漢鏡は渡来人が伝えたもの、朝貢によって受け取ったもの、輸入したもの、倭で造られたものがある。  四期漢鏡と言われているものは弥生時代中期から後期にかけて、北部九州、中国地方、近畿... 続きをみる

  • ヤマト王権の始まりの国 1

    序章 疑問の始まり 卑弥弓呼という王    卑弥呼の間違いではない。狗奴国の男王である。卑弥呼、邪馬台国とともに魏志倭人伝(『三国志』の『魏書』のうちの『東夷伝』倭人の条)に出てくる。卑弥呼は倭の女王であり、広く知られているが、卑弥弓呼や狗奴国は教科書には出てこない。 魏志倭人伝には女王卑弥呼と狗... 続きをみる

  • ヤマト王権の始まりの国 3-2-1

    二 邪馬台国の位置 ⑴ 邪馬台国と狗奴国とヤマト王権の国  邪馬台国と狗奴国という名は中国の史料から消えた。中国の史料には倭国はその後も登場するがヤマトと読める字はない。日本でも倭国がいつヤマトの国になったのか明確ではない。  倭奴国から倭国への移行は覇権争いの結果である。その覇権争いに勝って倭国... 続きをみる

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  • ヤマト王権の始まりの国 9-4

    ⑺ 第七代孝霊天皇  孝安天皇の第二子で、倭風諡はオホヤマトネコヒコフトニ(古事記では「大倭根子日子賦斗邇」、日本書紀では「大日本根子彦太瓊」)ノミコトという。  オホヤマトの意味やこの名が贈られた時期は第四代天皇と同じ推理になる。  根子は何か。美称だという説があるが根拠は不明である。根を張った... 続きをみる

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  • ヤマト王権の始まりの国 9-2

    四 初代から第十代天皇までの諡 ⑴ 初代神武天皇     倭風諡はカムヤマトイハレヒコ(古事記では「神倭伊波禮毘古」、日本書紀では「神日本磐余彦」)ノミコトである。元々の諡は若御毛沼命で、初代天皇としたときに新たな諡を贈ったのではないかと思う。  神倭や神日本は美称でイハレは地名だという説がある。... 続きをみる

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  • ヤマト王権の始まりの国 4-1

    第三章 倭国    一 大乱前の倭国はどのようにして成立したか ⑴ 倭国の成立とその意味  倭は倭人が住む地域の名であり、倭国は倭の地域の一つにまとまった国の名である。そのまとまり方は連合形態から統一国家までいろいろあり一定ではない。 後漢書の倭国王帥升等の朝貢や倭国大乱の記述に現れる倭国はどうい... 続きをみる

  • ヤマト王権の始まりの国 2-4

    五 拘(狗)奴国の成立時期  後漢書に拘奴国が登場するのは漢の時代に拘奴国があったからだと考えられる。つまり、漢が滅ぶ二二〇年より前に成立していた。そのどれくらい前かは、拘奴国がどういう国かという想定によるが、これまでは素性も含めて不明とされていただろう。  拘(狗)奴国を邪馬台国の子国と考える説... 続きをみる

  • ヤマト王権の始まりの国 1-3

    二 「狗奴国」という国名  前置きがかなり長くなったが、「狗奴国」は倭でどういう呼び方がされていて、なぜ「狗奴」という字が用いられたかという問題を考えてみる。これを考えるにあたっては、当時の倭の各地の勢力関係と狗奴国の位置、その後狗奴国はどうなったかなどの倭の歴史を考えながらどのような国かを想像す... 続きをみる

  • ヤマト王権の始まりの国 3-1

    第二章 邪馬台国とは 一 大倭王が居し、卑弥呼が都する国  後漢書によれば、大倭王は邪馬台国に居する。魏志倭人伝によれば、邪馬台国は卑弥呼が都する所である。女王は倭国の王であるから、時代の差はあるが同じことを言っていると思われる。  卑弥呼は、ヒミコ又はヒミクという倭の言葉を漢字にしたものである。... 続きをみる